コラム | YOKOと過ごすフランス時間 | フランスの夏の思い出(3) – La Source KOBE. ラ ソース神戸 フランス語・フランス文化・薬膳

コラム | YOKOと過ごすフランス時間 | フランスの夏の思い出(3)

Bonjour à toutes et à tous !

冒頭の写真、いきなり洗濯物で驚かれた方もいらっしゃると思います。

中にはじっくりひとつひとつの洗濯物を眺めてワクワクされた古いもの好きな方も?

ミストラルの風で乾かすアンティークのリネンです。ミストラルとはプロヴァンスの気候をつくる重要な役割を担っている地方風のこと。
こんなレアな写真を南仏の幸福のシンボル、セミと共に日本に届けてくれた女性が今日の主人公です。

私がレジーヌと出会ったのはルールマランの「コテ・バスティド」でお手伝いをした夏でした。

お店はお昼には一旦閉めて夕方に再びオープンする典型的な南仏の営業スタイルでしたので、村を散策する時間はたっぷり。最初は表通り中心に楽しんでいましたが、どんな土地でもこだわりのある素敵なお店は一歩入ったところにあるものです。ある昼下がり、細い裏通りに何軒かのお店を見つけました。その中に私がその日からほぼ毎日通うことになるお店があったのでした。

それは「La Cousines des Lilas」というアンティークのリネン類やレース、ランジェリー、ペチコートなどを販売するお店でした。最初にBonjour とお店に入った時に奥のアトリエから出てきたマダムはほんの少し警戒した様子で私を迎えました。その頃すでに前回述べたピーター・メイル氏の著作のおかげ?でプロヴァンスは世界中からの観光客に占領されつつあったのです。

彼女のお店は古いものの良さがわかる人しか理解できない品ぞろえでしたので、無遠慮に入ってきてあっという間に挨拶もなく出て行く観光客も多かったのだと思います。

私はというと、入った途端、歓喜のあまり小躍りしたい気分になりましたが、ぐっとこらえて小さなお店を埋め尽くしている白くて清潔な布たちをひとつひとつ丹念に見始めました。

時間を忘れていてはっと気づくとお店に戻る時間です。大慌てで「また来ます!」と言い残してお仕事に戻りました。こんな風にスタートしたレジーヌとの出会いでしたが、翌日に再訪した時には心からのBonjourで迎えてくれました。私が古いもの好きで価値を理解できる人だとすぐに分かったと後に教えてくれました。

その日からほぼ毎日ルールマランの真珠(フランス人は大切な人や物のことを真珠perleと表現します)のようなお店に通うことになります。レジーヌとはもちろんすぐに打ち解けて彼女がただ古いものを集めて売るのではなく、ひとつひとつの状態や時代を確認しながらその歴史背景にリスペクトし、リメイクという形で新しい命を吹き込むことに情熱をもっていることも知りました。毎日通うことになるのはレジーヌのせいでもありました。だって毎日新たな出会いがあるのです。今だから告白いたしますが、この夏のお小遣いを全てレジーヌのところで使い果たしてしまったのです。布地の素材によって元の持ち主の出身がわかるということもレジーヌから教わりました。私は綿ローンや絹の素材に繊細なレースや刺繍が施されたものを好んでいましたが、それらはかなり裕福な家庭の女性のものでした。私がお店に行き「また増えている!」と言いながらその日の「出会い」を手にすると「絶対にそれを選ぶと思ったわ!」と嬉しそうな顔。そりゃ嬉しいですよね。毎日必ず買ってくれるお客さんがやってくるのですから。

これはほんの一部ですがその夏に私が散財した宝物たちです。





その後、ルールマランに戻るたびにお店に行き再会を喜んでいましたが、数年後にこのお店はクローズして歩いて数分のところにある自宅に、アトリエとブティックを開き顧客だけを迎え入れていました。

そして、4年前には長年暮らしたルールマランを離れ、エクサン・プロヴァンスとマルセイユの間に位置する町で新しい暮らしをスタートされています。ここはお子さんやお孫さん達(15か月の双子ちゃん~24歳まで7名)が暮らす場所にも近く、お孫さんの面倒を見たり、家族との時間をより多く過ごせるからだと嬉しそうに話してくれました。

「新しいお家にもちゃんとアトリエをつくって、お仕事やアンティーク探しを続けているの」と

自慢げに素敵な写真も送ってくれました。

C’est ma passion !(私の生きがい、情熱なの!)という言葉を添えて。

南仏の乾いた空気やハーブの香りまで感じられるレジーヌのお家をとおして、夢のような旅をご一緒しましょう。

 

家族と過ごす何気ない時間のなかにこそ真の幸福がある、という典型的なフランス人の考え方やその暮らしぶりからは学ぶことがたくさんあります。

そんなレジーヌの生き方、南仏暮らし、そして情熱を注いでいるお仕事に魅せられたのが私も以前お世話になっていたフランジュールのオーナーです。

今では、ほぼフランジュールさんのためだけに古くて美しい布や手仕事を探し、譲り受け、丁寧に手を加えて日本に届けているようです。

フランジュールさんのブログでもオーナーが2つのアトリエを訪れた時の様子が素敵な画像と共に紹介されていますので、こちらも是非ご覧ください。

https://francjour.sakura.ne.jp/wp/2014/10/8lourmarin/

https://francjour.sakura.ne.jp/wp/2017/06/troisieme-jour-201706/

「新しいお家はとっても広くてバス付きのゲストルームも用意しているのよ。ヨーコはいつ来るの?」と楽しみに待ってくれていますので、次回の南仏行きでは必ずお邪魔するね、と約束しています。

そして、フランジュールさんでとてもタイムリーに81日からレジーヌのアトリエ「ラ クジ リラ」から届いた新作のお披露目をされています。

お店やHPを通してひとつひとつのお品に秘められた物語を想像しながらお買い物を楽しまれてはいかがでしょうか。きっと南仏の薫りも一緒に皆さんのお家まで届くことでしょう。

https://francjour.com/topic/info/la-cousine-des-lilas-nouveautes

「コラムを読んで下さる皆さんへあなたを紹介したいの」と伝えると、誇らしいと喜んでくれました。

先週、ドルドーニュ地方へ旅行した時と自宅で堂々とポーズをとる彼女の写真で今日はお別れいたします。

Profitez à fond de vos vacances !