Bonjour à toutes et à tous !
皆さまと想像の世界でもフランスの夏を旅することができれば、という思いで先月から南仏をご紹介してきました。
そしてもう少し遡って、4月にこのコラムをスタートしようと思ったのは、外出自粛の時間に「フランス」に触れる機会を私なりに発信できればという思いからでした。
そんな思いを受け止めて形にして下さったのが「ラソース神戸」の川畑友子さんです。
そして今日までずっと私が準備する写真やテキストを素敵に仕上げて下さっています。
友子さんは私と同じ大学でフランス時間をたっぷり過ごされ、その後、私とはすれ違いでしたがフランジュールさんに勤務されていました。その時代に彼女もレジーヌのアトリエ訪問を実現されています。今日は以下の素敵なブログからお楽しみください。
https://francjour.exblog.jp/21471236/
https://francjour.exblog.jp/21478976/
南仏はパリと時間の流れかたも違うからでしょうか、手工芸を楽しむ女性が多いと感じます。
趣味が高じて起業する方、趣味とビジネスの間でのんびり活動する方など多くの魅力的な女性に出会ってきました。
エディット・メザールさんもその一人です。これまでに2度ほどこの刺繍家のアトリエに伺ったのですが、のちに私が現在面倒を見てもらっているラデュレの上司の知り合いでもあることを知りました。どの国でも「世間は狭い」という言葉が当てはまりますね。
Chateau de l’Ange(天使のお城)と名づけられた楽園のようなアトリエもいつの日か訪問されてくださいね。
https://www.chateaudelange.fr/
この地方はご存知のように多くの芸術家を惹きつけてきました。
そして、今でもフランス人が最後に戻る場所のようです。
もちろん「フランス人」と一括りにはできませんが、私の周りにいる人たちは、リタイヤした後パリを離れて南仏で暮らしたいと思っている人が多くいます。その夢を実現できるのは恵まれた環境にいる人たちですが。
南仏は田舎ですが、場所によっては物価も地価も驚くほど高いのです。
初めてエクサン・プロヴァンスに滞在した時に「ここは暮らせる町」と感じました。
旅するのと暮らすのは全く違いますので、いくらフランスでも「ここで暮らしたい」と思える町はそんなに多くありません。
ある時友人に、エクサン・プロヴァンスで暮らしてよ、というと高すぎて無理よ!と返事が返ってきたことがあります。
フランスは各地方の特徴が強く、その地方の人達は皆、自分のところに誇りを持ち、一番はここだと感じていると以前にもお伝えしたと思います。
今回は南仏を紹介いたしましたが、いつの日か大好きなアルザス地方、少し神秘的なブルターニュ地方、モンブランを毎朝正面に臨むことができたサヴォア地方の休日そして、珠玉の小さな村が点在するドルドーニュ地方などのお話もできる日が訪れますように。
ドルドーニュ地方の画像を動画でお楽しみ下さい。南仏とは全く異なる様子をご覧いただけます。
こうして皆さんと南仏に思いを馳せていると懐かしさが増してきて、今夏は映画や文学で南仏に浸ることにしています。南仏が舞台の映画はたくさんありますが、フランス語学習をスタートした頃に観た映画、プロヴァンス物語「マルセルの夏」と「マルセルのお城」を先日久しぶりに観たところ、以前はあまり気にしていなかったのですが、主人公マルセルのママが着ている洋服が、前回ご紹介したレジーヌがコレクションしているドレスと同じ時代であることなど再発見がありました。
この映画はプロヴァンス出身の小説家マルセル・パニョルの幼少時代の自伝的小説を映画化したもので、フランス人なら一度は見たことがある懐かしい作品で私も大好きです。
http://marcel.themovie.onlyhearts.co.jp/
また、フランスと関わりがあまりない方でも「木を植えた男」という短編小説をご存知ではないでしょうか。作者ジャン・ジオノがプロヴァンスのマノスク出身で、機会がありこの村にも行ったことがあるのですが、実はこの村は日本でも大成功しているフレグランスブランド「ロクシタン」の本拠地で製造所の見学もできます。
https://fr.loccitane.com/l-occitane-vous-invite-a-manosque,74,1,87871,1107736.htm
私は今、大学で学んだ「フランス語を読む」という原点に戻る気持ちで、6月からオンラインでフランス語の絵本を読む講座などもスタートしています。
以前、星の王子様をフランス語で読むクラスを開催した時のように、静かに流れる時間の中で、ご参加者とフランス時間を共有させて頂いています。
そして、私にフランスの奥深さを教示して下さった恩師の著書「プロヴァンス碧い海と碧い空と」を読み返しながら、これから迎える新しいフランスとの出会いに期待を寄せています。
皆様もそれぞれのお立場で新たな様式の毎日を過ごされていることでしょう。
4月から20回にわたるコラムを読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。
今日は、この次にコラムを通してお会いする時まで少しお時間を下さい、とお伝えしなければなりません。新しい出会いや体験をお話しできる日がきっと訪れると思います。
もし、何か取り上げて欲しいテーマがございましたらご連絡くださいね。
お約束はできませんし、少し先になるかもしれませんが、心の引き出しに丁寧にしまっておきたいと思います。
エピローグの代わりにプロヴァンスの素敵なテーブルとアイスクリームを添えてお別れいたします。
Avec toute ma gratitude.
YOKO