コラム | YOKOと過ごすフランス時間 |香りとフランス(2) – La Source KOBE. ラ ソース神戸 フランス語・フランス文化・薬膳

コラム | YOKOと過ごすフランス時間 |香りとフランス(2)

Bonjour à toutes et à tous !

私は今、自分で調香した香りをつけてこのコラムを綴っています。

昨年の夏にパリでご一緒した方から旅行の前に、パリで自分だけの香水を作るワークショップに参加したいというリクエストを受け、香りの町で有名な南仏のグラースで1849年から続く老舗香水メゾン「モリナール」のパリのアトリエで香水を作るワークショップへの参加をアレンジいたしました。そしてお連れする前に自分も体験しておこうと思い調香にチャレンジしたのです。

リクエストされた方もそのお嬢様もそれぞれご自分で調香された香りを「好きすぎる!」と表現されていましたが、私もこの機会に自分で調香した香りを大変気に入り、一年を迎える今、瓶の底にほんのちょっぴり残る程度になってしまいました。でも、このアトリエでは一度調香するとそれを記録してくれていますので、連絡すればいつでも同じ香りを購入できるのです。


前回、香りは自己表現だとお話いたしましたが、本当にその通り。自分をどんな風に表現したいのかをそれぞれが全く違った香りで仕上げるのですから大変興味深い体験ですし、とってもフランスらしいと思いました。

昨年の今頃、私の香りのテーマは「オレンジの花」でしたので、当然のことながらオレンジの花ベースの香りを作るぞ!と張り切っていたのですが、香りは頭でスタートしても上手くいかないことを実感いたしました。

先生にもそのことを注意されてしまい、頭の中でつくり上げていた先入観をなくし、嗅覚に集中すると思いがけない素敵な香りができ上ったのです。トップノートにほんの少しオレンジの花が香りますがそれ以外に全部で11種の香りを合わせた「好きすぎる!」香りです。

モリナール以外に日本人にとても人気があるフラゴナールでも同じようなワークショップが開催されています。
それぞれのリンクを下にご紹介いたしますので、皆様の次回のパリ滞在のプログラムに是非入れられてくださいね。

https://www.molinard.uk/perfume-workshops

https://musee-parfum-paris.fragonard.com/en/perfumer-apprentice-workshop/


ウビガン、ピヴェール、リュバン、ロジェ・ガレ、ゲラン、キャロン、コティ、ドルセー。。。フランスには香水の歴史に名を残し、中には今でも続く老舗メゾンがあります。私が現在愛用している香りのひとつは、ウビガン社が1912年に発表したQuelques fleurs l’originalという香りです。

ウビガンは1775年にジャン=フランソワ・ウビガンがパリのフォブール・サントレノ通り19番地に匂いつき手袋と香料の店「ア・ラ・コルベイユ・デ・フルール」(花籠に)を開いたのが始まりです。

マリー・アントワネット王妃やジョゼフィーヌ皇后などフランスの王侯貴族に愛された後、19世紀、20世紀の間イギリスとロシアの宮廷を魅了し続けました。マリー・アントワネットが国外へ逃亡しようとした際に旅行用の化粧ケースの香水瓶の中にこのお店の香水を入れるのを忘れなかったことは有名です。

ウビガンはまた、それまでの天然原料だけの香りにはじめて合成香料を配合したフジェール・ロワイヤルという香水を1882年に発売し、これが近代香水の扉を開けるきっかけになりました。

この老舗メゾンは2009年からモナコのLoft Fashion and Beauty Diffusion社がライセンスを所有していますが、パリでもここの香水を扱っているのは私が知る限りプランタンの香水コーナーだけだと思います。プランタンの香水売り場は香り好きにはたまらないセレクトと構成ですので、パリで何か新しい香水を選びたい時にはお勧めです。新しい香水を買うときには必ず自分の肌で数時間かけてノートの変化を試さなくてはなりませんので、私はパリ到着後すぐここに出向き気になる香りのサンプルをいくつかいただいて数日かけて試してからこれという香りを決めてお店に戻ります。 

 
 
こちらの画像は文章とは関係がございません。イメージ画像になりますことをご了承ください。

そしてゲランは1828年にピエール=フランソワ=パスカル・ゲランにより創業されたいわずと知れた老舗メゾンです。1853年にナポレオン3世の皇妃ウジェニーのために創られたオードコローニュ・アンペリアルなどをはじめとして、歴代の調香師が名香を残しています。

シャンゼリゼ通りにはお仕事で関わるラデュレもありますので、やはりパリに到着すると翌日にはこのエリアに向かいます。シャンゼリゼ大通り68番地で1914年からゲランはフランスが誇る香水文化の発信に大きく貢献しています。向かって右側の扉から入ると正面奥にエレガントな印象の階段が見えます。2階にはお店の方に声をかければ誰でも上がることができるのです。

 
 

 

ここは大通りや1階の賑わいがうそのようにいつもひっそりとした静寂に包まれています。

そしてメゾンのアーカイブの資料や香水瓶が美しく陳列してあり、ゆったりとしたソファも配されていて老舗香水メゾンらしい優雅な時間が流れています。

また1階では、購入した香水瓶にネームを彫ってくれたり、リボンやタッセル、紐飾りを好きなように選んで仕上げてくれるサービスも行われています。この場所で自分のオリジナルをお店の方と相談しながら決める時間もまた香りと同じように形のない宝物です。

  
  
  
  

実はゲランには私の秘密のお土産品リストにも載っているお茶が数種類あるのですが、無理を言ってお茶の缶にも名前を彫って頂きました。
もちろん、ゲランで愛用している香りのボトルにもネームを入れて頂いています。
アレンジして下さる方はゲランから依頼された外部の専門家なのでこのサービスをいつでも受けられるわけではないですが、ゲランのスタッフに聞けば予定も教えてくれるはずです。

 


私はあるご縁から稀有な香水瓶コレクションを所蔵する日本の美術館で数年間お仕事する機会に恵まれました。ここで得た経験やフランスの香水関係の美術館のお話など、お伝えできていない香りのお話がまだたくさんあります。2回でまとめられるかな?と思っていましたが長くなってしまいますので続きはパート3でお話させていただきますね。

フランスではヴァカンスを前に制限を大幅に解除しつつこれまでとは違う夏を迎える準備に入ったようです。

私は皆さまと香りの旅をもう少し続けたいと思います。